ショートショートフィルムフェスティバル & アジア代表 別所哲也インタビュー

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INTERVIEW ショートショート フィルムフェスティバル&アジア代表 別所哲也インタビュー

1998年、役者・別所哲也が短編映画への熱い思いを映画祭という形に昇華させ、いまやアジア最大となった“ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2008”。今年で10周年を迎えるこの映画祭に、新たな部門が新設された。それが、MSNとパートナーシップを組んで立ち上げられた「オンライン部門」だ。今回はプロジェクトの発起人である別所に、国境の垣根なく誰でも映画祭に参加できるオンライン部門への思い、また短編映画への熱い思いを語ってもらった。

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INTERVIEW 01

どんな俳優たちも最初の一歩はショートフィルムだった

Q:別所さんとショートフィルムとの出会いについて聞かせてください

20年ほど前、僕が初めて出演した映画は、ハリウッドの作品だったんです。当時、知り合った仲間に会いにアメリカの西海岸に遊びに行くと、皆が、「おれの知り合いがショートフィルム作ったんだ」だとか、「わたしのショートフィルム観てよ」など、パーティー感覚でそれぞれの作品を観せるんです。それまではどこか自分の中にショートフィルムって実験的で個人的なものだという先入観があったのですが、実際に観てみると非常にエンターテインメント性の高いものが多くて、それからとりこになりました。それが1997年の秋でしたね。

Q:そのときから興味をお持ちになったんですね?

はい。映画は長さじゃないなと思って……。それでショートフィルムについていろいろ調べてみると、あのジョージ・ルーカスもスティーヴン・スピルバーグもフランシス・フォード・コッポラもクエンティン・タランティーノも、あるいはジャン・レノやユアン・マクレガー、ジュード・ロウやジュリア・ロバーツなどの俳優たちも、最初の一歩はショートフィルムだということがわかってきたんです。欧米では当たり前のように初めの一歩というのはショートフィルムなんだということを、日本ではどうしたら伝えられるかなと考えていたら、映画祭を作ってしまったんです(笑)。

ショートフィルムの良さを広めたい!

Q:映画祭まで立ち上げるとなると、かなりの情熱がないとできませんね。

人の思いっていろいろあると思うんですけど、自分の出会った本当においしいものとか、すごくすてきな夕日の見える場所を、自分だけの隠れ家にして独り占めにしておきたいという楽しみ方をする場合と、自分がこれだけ面白いと思ったものを、周りの人がどんな風に感じるだろうと思う場合があります。僕の場合、ショートフィルムは、夕日のすごくきれいな場所があるんだけど、ほかの人はどんな風に思うだろうか、と考えるのに似ているんです。いっぱいあるショートフィルムっていう、面白い映画の原石のようなものを、ほかの人たちはどんな風に観るんだろうという気になったんです。最初は試写会でいいと思ったんですけど、気が付いたら映画祭になっていました(笑)。

Q:映画祭を立ち上げられていかがでしたか?

映画祭というのは最後に「祭」とつくように、映画の好きなお客様や、映画を作っている俳優や監督や、すべてのスタッフを含めたみんなが、垣根を取っ払って楽しく映画談義ができたり、映画の未来地図を考えたり、一方で古い映画を観て映画の原点を楽しんだりすることができる場なんですよね。本当にお祭りの場所なんですよ。ゲスト監督とのQ&Aやワークショップ、世界の短編映画事情に触れたり、映画界のマエストロによる初期の作品を振り返ったり……。実際にショートフィルムの映画祭を日本で立ち上げて、日本の人たちも短編映画にすごく興味を持ってくれるし、俳優だとか、監督だとか、一般の映画好きだとか関係なく、ワイワイ同じ場所で映画を観て笑い、感動し、その映画の話ができるってすごくすてきなことですよね。それが、その人の人生においての忘れられないセリフとか、忘れられないシーンとか、そういうものにつながって、生きる元気になってくれたら、映画祭を作って本当に良かったと思います。

オンライン部門の設立について

Q:今年、初めてオンライン部門を作られた経緯を教えて下さい。

もともと、ショートフィルムっていうのはインターネットが普及して、たくさんの方の支持を集めてきた経緯があるんです。もともと映画には100年以上の歴史があって、20世紀に花開いた文化なんです。最初はワンコインムービーといって、劇場で公開していたのもショートフィルムだったんです。現代はインターネットのお陰で短くて面白いものを動画で配信したり観たりという環境が整って、映画っていう文化そのものがいろんなバリエーションで観られる時代になりました。そういう意味も含めて、21世紀に育っていく映画祭としては、インターネット上でやりとりされる部門を作りたいというのがひとつの夢でした。それを、このシアター創設の実現とともに、映画祭10周年を機にぜひやりたいと思って、企画・運営をMSNさんとやるということになったんです。

Q:MSNを選ばれた理由を教えてください。

チャレンジ精神にあふれているからですかね。僕自身メッセンジャーなどの違うツールも使うんですけど、ポータルサイトとしての魅力以上に、新しいことを自分たちなりの感性で作り上げようとしているサイトだと思うんです。僕たちも、映画祭を通じてクリエーターや映画に興味を持ってらっしゃる方といろんな形でつながっていきたいと思っているんですけど、そういう、お互いの開拓精神あふれる気持ちが通じてこういった部門が作られたことはすごくうれしく思っています。

Q:映画祭オンライン部門を展開する「Soapbox」は映像の投稿機能を持つMSNの新コンテンツですが、このようなコンテンツをどのように考えますか?

多くの人が、自分を表現する場をオンライン上に作っていますが、僕自身、映画の大切なところは閉じてないところだと思うんです。それは、人とつながろうとして開いていくこと、誰かに向かって自分をわかってほしいとか、相手をわかりたいという気持ちを持つことだと思います。Soapboxは映像を通じて、そういうやりとりをする場として最適だと思います。

面白いショートフィルムを撮る秘訣(ひけつ)とは

Q:5分間のショートフィルムを撮るにあたってのアドバイスをお願いします。

ショートフィルムの魅力のひとつは、ワンシチュエーション・ワンメッセージだと思っているので、5分という時間の中で起承転結を付けるのならば、あまりシチュエーションを入れ替えずに、ひとつの場面設定の中で5分間のドラマを作り上げるというのが、面白いと思いますね。映画的にしようと思ってセットやシーンをあちこちに分散しないで、ひとつのところに集中して、直球で投げるような映像があったらとても魅力的だと思います。

Q:ジャンルは何でもいいんですよね。

そうですね。長編映画と一緒で、大きな分野でいえばライブアクションといわれる実写版と、ドキュメンタリーといわれる事実を切り取っていこうとする作品群、そしてアニメーションという形があると思います。実際、アメリカのアカデミー賞はこの3つのカテゴリーで短編部門の賞を設置しているんですけど、そういったカテゴリーの中でも、さらにいろんなジャンルの映画があるのがショートフィルムです。まあ長編と同じように楽しめるものなんですけど、それが短い時間にギュッと入っているのが魅力なんですよね。

Q:ウェブ上で皆が投票するというのも面白いですね。

観た作品に自分なりのコメントをつけたり投票できたり、人とわかち合うことができるという作業は、オンライン部門ならではの醍醐味(だいごみ)だと思います。映画館でまったく知らない人たちと共同体験をするのとは、また違った自分の感性を動かされます。コミュニケーションにおいては、まったく知らない遠く離れた人とも話ができるインターネットというツールを通し、時間や空間を越えてひとつの感覚を共有できるというのはすごいことだと思います。

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